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フェンちゃん(フクロモモンガ女の子)の身体を観察する

 

 

はじめてフクロモモンガを見たとき変わった体の構造に驚きました。

日本のリスやモモンガとはまた違う有袋類特有の特徴や樹上性の生き物特有の特徴。

他の小動物と比べてみてもとても器用で複雑な動きができる身体能力の高さはオーストラリアという島国で有袋類が進化してきた過程で培ったものです。

フクロモモンガは個体によって少しずつ違った体つき、色をしています。

一般的な構造については専門書やネットでもたくさん情報もたくさんあり、個体差もあるので必ずしも正しい情報ではありません。

ですのでそういった情報と比較しながらフェンちゃんの体の構造を実際に見てみたいと思います。

 

   

 

<毛色について>

フェンちゃんはノーマル(クラシック)という一般的なフクロモモンガカラーです。

背中に一本、後ろ足に2箇所、前足の周りと尻尾の先が黒くなっています。

顔も目の周りや鼻の上、耳の周り、顎周りが濃い色で、自然界で目立たないよう複雑な模様をしています。

鼻の上が一箇所白いのはお迎えした当初はなく、大きくなってから出てきました。

鼻の毛が黒いので上から見ると2本線が入っているように見えるのがチャームポイントです。

擬態できる柄・色なので色の濃いカーテンなどにくっついていると見つからずにうろうろ探し回ってしまうこともよくあります。

寒くなると換毛して冬の毛になるのでふわふわして気持ちがいいです。ぱっと見わかりにくいので夏と冬の写真を見比べてみるのがおすすめです。

 

<体つきについて>

フェンちゃんは全長体重は82g(2020年2歳現在)です。

1歳くらいの頃は75g程度しかなく体重が伸びなかったのですが1歳の春〜夏の繁殖シーズンにたくさん食べて大きくなりました。

成長期が終わっていると思っていたので肥満にならないかちょっと焦りましたが2歳くらいまでは骨格も少しずつ大きくなっているそうです。

1歳の頃の写真を見ると腰回りも細く痩せすぎていたのかなとも思います。

体重が増えてからは腰回りが大きくふっくらした感じです。体が伸び縮みするので骨格に対しての適正体重がどのくらいなのかとても分かりにくい生き物だと思います。

体はとても柔らかく全身を毛繕いしたり、狭いところに入るのが得意です。フェンちゃんは円なら直径3.5cm、壁と家具などの間は2cm幅があれば通り抜けてしまいます。

 

 

 

<体の部位について>

目…夜行性動物の中でも暗所を自由に動き回れる視覚が発達しています。大きな目で光を取り入れて瞳の構造を利用して光を増幅させることができるので真っ暗なところでも活動ができます。

反対に明るいところは苦手です。カルシウムの定着を促すために多少は太陽光(紫外線)を浴びてもらわなければいけませんが、基本的に昼間は静かで暗いところで寝てもらうようゲージを配置します。

遊ぶ時間は暗くして遊びやすい状態にしてあげるのがおすすめです。

目は真っ黒に見えますがたまに白目がのぞくこともあり、よく見てみると目の中心に瞳孔が見えます。

 

鼻…フクロモモンガは嗅覚が発達していると言われています。

確かにものを認識したり何か探したりするときには嗅覚を頼りにしていますが、場所の特定をするとなると正直そこまでいいとは思いません。

例えばこの箱の一箇所におやつを入れると間違えて隣の箱を開けたりもします。間隔を開けると正答率は上がりますがくっつけてしまうと難しいようです。

この辺りにあるというのがわかる程度なのかなと思います。

人工的な匂いが苦手なので強い洗剤等は無臭のものを使っています。フェンちゃんは洗い物した後の洗剤の匂いのする手で触ろうとすると怒ります。

 

耳…音がする方に柔軟に動く大きな薄い耳です。

よくキクラゲに似ていると言われていますが、色・質感ともにそっくりです。

個体によって大きさや形が違っていて個性の出る部位だなぁと思っています。

音の方向にはかなり敏感なのでフェンちゃんの気を引きたいときや近くに来て欲しい時は最初に音でアピールしています。

おやつがあるときだけ声をかけるようにすれば『呼ぶと来てくれる』という状態にはなりますが今のところ名前の認識等はしていないのかなと思います。

 

口…しっかりと閉じていても前歯がのそいている愛らしいお口。ご飯を食べたり鳴いたり噛んだりとても忙しい部位です。

正面からだとあまり見えませんが下から見るとわかりやすいです。

齧歯類ではないので歯はのびません。永久歯はなくなってしまえば生え変わることもないので虫歯や怪我などには要注意です。

木を剥がすことは好きですが齧歯類のように芯まで削ったりするほど強くはないのかなと思います。

昔はよく木をかじっていましたが最近はあまりかじらなくなりました。環境に慣れたのか成長による変化なのか気になっているところです。

舌がとても長く、動画などに写っているとびっくりします。

 

前足…5本指で鉤爪があり、ものをつかんだり木登りに適した構造をしています。

爪を引っ掛けられる素材のものは爪を立てて登りますが、爪がかからない滑る素材は爪ではなく手のひらと足で上手く掴んで登っているようです。手のひら・足の裏は肉球のようになっていて汗腺があるので少し湿っています。

木の中から幼虫を引っ張り出して食べると聞いたので穴の中におやつを隠したところ手ではなく頭を突っ込もうとしていました。

流木の中におやつを隠した際に一度手を入れているのが確認できたのですがそれ以外はどんなに細いものでも頭を突っ込もうとします。

爪切りをしないと体を登ってくる際に爪が刺さって傷になります。鉤爪を引っ掛けるので傷口は小さいですが深く刺さってなかなか治らないです。

爪切り後も強く掴まれたり踏み切られたりすると皮膚が裂けて深い切り傷が残るので、基本的に触れ合う際には傷はつくものだと思っておいた方がいいかと思います。

 

後ろ足…足は親指が変形しており木をうまく掴むことができます。この指で掴まれた時のペタペタした感触が好きです。

木登りの際は前足を引っ掛けて上に飛び上がり、後ろ足で枝を掴みながら登っていきます。

木の上で逆さまになるときは落ちないようにぎゅっと足で枝を掴み手を離します。全体重を支えながら作業ができるほど足腰が強いです。

人差し指と中指にあたる指は爪が薄くグルーミングの際に櫛として使っています。

 

皮膜…滑空する際に伸びてしばらくすると元に戻ります。

指で伸ばすと指が透けて見えるほど薄く、触り心地がとてもいいです。

丸まって寝ているときに少し余ってひだになっているのを見るとついつい引っ張りたくなります。

日本のムササビやモモンガは小指から皮膜が広がるようについていますがフクロモモンガは小指はそのまま存在し、手首あたりから皮膜がついているという構造の違いがあります。

日本のモモンガとフクロモモンガは進化の過程が違っていても、最終的に樹上性で滑空するという進化を成し遂げました。驚きです。

 

 

尻尾…木の上や滑空中にバランスを取るための長い尻尾です。

木の上を歩いたり、手を離して作業するときには木に巻きつけて落ちないように体を支えたりもします。

巣材を巻いて運んだりもできるとても器用な尻尾で、触ってみると一定の間隔ごとにいくつか関節があり何本かの短い骨が続いていることがわかります。

上下左右複雑で細い木の枝に正確に飛び移るような繊細な動きはこの長い尻尾のおかげとも言えます。

滑空するときは行き先を調整するのに尻尾を使って舵をとっています。

 

育児嚢…有袋類の最大の特徴でもあるお腹の袋。胎盤がないので赤ちゃんが未熟な状態で生まれてきてこの中で育ちます。

未熟児で生まれてきた赤ちゃんは自力で袋までたどり着かなけらばいけないため、生まれたばかりの有袋類は上半身が発達しており下半身の発達が遅いものが多いです。

未熟な赤ちゃんを育てるために母乳は比較的高タンパク、種族の生活様式によって袋口の位置や向き、乳のつき方が違います。

フェンちゃんが赤ちゃんの頃は中のお掃除の仕方がわからなかったようで袋の中を引っ張り出していることが度々あり、ちょっとヒヤヒヤしました。

 

総排泄孔…有袋類はうんちもおしっこも赤ちゃんが出てくる穴も同じです。

おしっこが溜まっているとき、音入れしたいときはプクッとしています。

毎日お腹にしこりがないか、怪我をしていないかなどを確認するのですが、その際には排泄孔もちゃんとお手入れしているかや下痢をしていないかなどを見ています。

自咬してしまうことが多い部位なので毛繕い中執拗に舐めているとついつい見てしまいます。

 

 

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